幼稚園入園後、子どもが熱を繰り返す理由と乗り越え方|体験談

子育て

入園から3か月、カレンダーが通院マークで埋まった話

年少で幼稚園に入園してから最初の3か月、我が家のカレンダーは小児科の通院マークでほとんど埋まっていた。入園前は「集団生活が始まれば、体力もついて逞しくなるはず」と漠然と考えていたが、現実はその逆だった。入園初日から数えて、最初の3か月で発熱による欠席は8回、そのうち2回は中耳炎を併発し、1回は流行性の感染症で1週間近く登園できなかった。正直、想定していたよりもずっと厳しい数字だった。

共働きで、どちらの実家も近くにない我が家にとって、この頻度の発熱は仕事のスケジュールを根本から揺るがすものだった。有給休暇は入園から数か月であっという間に底をつき、それ以降は欠勤扱いにするか在宅で対応するかを、その都度その場しのぎで判断する日々が続いた。この記事では、「なぜこんなに熱を出すのか」という理由の部分と、あの1年をどう乗り越えたか、そして今振り返って感じていることを、赤裸々に書いていきたい。

「うちの子だけ弱いのでは」という不安との向き合い方

最初の1〜2か月は、正直「うちの子は他の子より体が弱いのではないか」と不安になっていた。しかし、かかりつけの小児科医に相談したところ、集団生活を始めたばかりの子どもが、免疫を持っていない感染症に次々とかかり、発熱を繰り返すこと自体は珍しいことではないという説明を受けた。

それまで自宅や少人数での関わりが中心だった子どもが、大勢の子どもと接する環境に入ることで、様々なウイルスや細菌に触れる機会が一気に増える。免疫の仕組みは触れた経験を積み重ねることで少しずつ育っていくものであり、入園直後にまとめて体調を崩しやすいのは、多くの子どもに共通して見られる傾向だと聞き、少し気持ちが軽くなったのを覚えている。とはいえ、症状の重さや回復の早さには個人差があるため、心配な症状がある場合は自己判断せず、その都度医師に相談することを大切にしていた。

特に記憶に残っているのは、入園から2か月目に手足口病にかかり、その回復期にほぼ入れ替わるようにヘルパンギーナをもらってきたときのことだ。1つの感染症が治ったと思ったら、間を置かずに次の感染症にかかる、という状態が続き、「体調が万全な状態」がほとんどない時期があった。小児科の先生には「今の時期はそういうものだと思って、気長に付き合ってあげてください」と言われ、当時は正直、気長に構えられるほどの余裕はなかったというのが本音だ。

仕事との両立で、実際に直面した壁

体調不良の頻度そのものよりも、正直こたえたのは仕事との両立の難しさだった。急な発熱の連絡は決まって忙しい時間帯に園から入り、その都度、仕事の予定を調整してお迎えに向かう必要があった。夫婦で交代しながら対応していたが、双方の仕事の繁忙期が重なった週は、綱渡りのようなスケジュールになったこともある。

この時期に助けられたのが、病児保育の制度だった。自治体や勤務先の福利厚生で利用できる病児保育施設の存在を、恥ずかしながら入園するまで詳しく調べていなかった。事前に登録だけでも済ませておけば、いざというときにスムーズに利用できると知り、体調を崩す前の段階で登録手続きを済ませておいたことが、後になって大きな安心材料になった。

実際に病児保育を初めて利用したのは、大事な取引先とのオンライン会議が入っていた日の朝だった。発熱の連絡を受けた瞬間は頭が真っ白になったが、事前に登録を済ませていたおかげで、その場で空き状況を確認し、午前中には預け先を確保できた。もし登録から始めていたら、この日のうちに対応しきれなかっただろうと思う。制度は「使うかもしれない」と思った時点で早めに登録しておくことの重要性を、身をもって実感した出来事だった。

一方で、病児保育の予約は当日枠が埋まってしまうことも多く、必ずしも毎回頼れるわけではないという現実にも直面した。頼れる先を一つに絞らず、病児保育・ファミリーサポート・親族のサポートなど、複数の選択肢を並行して確保しておくことが、いざというときの安心につながると感じている。地域によって利用できる制度や登録条件は異なるため、入園前に自治体の窓口や園に直接問い合わせて確認しておくことをおすすめしたい。

誰にも言えなかった「罪悪感」との向き合い方

この時期、意外と誰にも話せずに一人で抱えていたのが、罪悪感に近い感情だった。頻繁に早退や欠勤を繰り返すことで、職場の同僚に迷惑をかけているのではないかという申し訳なさと、逆に「もっと子どものそばにいてあげるべきなのでは」という、子どもに対する後ろめたさの両方を、同時に抱えていた。

どちらの方向に気持ちが傾いても、結局は自分を責める材料になってしまい、当時は精神的にかなり消耗していたと思う。転機になったのは、同じ職場で先に育児を経験していた先輩に「今は誰でも通る時期だから、罪悪感を持つだけ損だよ」と言われたことだった。罪悪感を持つこと自体が悪いわけではないが、その感情に長く留まり続けても状況は改善しない、と割り切れるようになってから、少しずつ気持ちが楽になっていった。

もし同じように罪悪感を抱えている方がいれば、その感情を無理に消そうとするのではなく、「今の自分にできる範囲で対応している」という事実に目を向けてみることをおすすめしたい。完璧に両立できている家庭など、実際にはほとんどないのではないかと、今振り返ると思う。周囲と比べて落ち込むより、自分の家庭にとって無理のないペースを探すことの方が、長い目で見れば大切だったと感じている。

周囲に相談して見えてきた「乗り越え方」のヒント

同じように子どもを入園させたばかりの保護者仲間との会話も、支えになった部分が大きい。「うちも最初の半年は毎月のように熱を出していた」「年少の1年間が一番大変で、年中になると少しずつ落ち着いてきた」という先輩保護者の話を聞き、この大変さが自分の家庭だけの特別な状況ではないのだと理解できたことは、精神的にとても楽になった。送迎時のちょっとした立ち話でこうした情報を交換できる関係を、意識的に作っておいてよかったと今でも思う。

具体的に取り入れて助かったと感じる工夫もいくつかある。

  • 職場に、子どもの急な発熱があり得る時期であることを事前に伝えておき、理解を得ておく
  • 病児保育・ファミリーサポートなど、頼れる制度をあらかじめ複数登録しておく
  • 常備薬や体温計、着替えなど、通院・お迎え用のセットをまとめて用意しておく
  • 夫婦間で「どちらが対応するか」のルールをあらかじめ決めておき、その都度揉めないようにする

特に最後の「夫婦間のルール決め」は、体調不良が重なる時期ほど重要だと痛感した。疲労が蓄積している中で急に決めようとすると、些細なことで衝突しやすくなる。落ち着いているときにあらかじめ話し合っておくことをおすすめしたい。

我が家の場合は、園からの電話を最初に受けた方が当日の対応を担当し、翌日の対応が必要になりそうな場合はその時点で夫婦で相談する、というシンプルなルールに落ち着いた。細かく役割を決めすぎるとかえって身動きが取れなくなるため、「まず誰が動くか」だけを決めておき、その先は状況を見ながら柔軟に相談する、という程度のゆるさが、我が家には合っていたように思う。

1年を振り返って見えてきた、体調の変化

年少の1年間はとにかく通院に追われる日々だったが、年中に上がる頃から、発熱の頻度は目に見えて減っていった。もちろん個人差があり、すべての子どもが同じように落ち着くとは限らないが、我が家の場合は、1年を通して様々な感染症に触れる経験を積んだことが、結果的に体調の安定につながったのではないかと感じている。

当時は「いつまでこの状態が続くのか」と先の見えない不安に押しつぶされそうになっていたが、振り返ってみると、あの1年は永遠に続くものではなく、通過点の一つだったのだと分かる。渦中にいるときほど、この「いずれ落ち着く」という見通しが持てず、辛さを感じやすいのかもしれない。

具体的な変化として、年少の1年間で8回あった発熱による欠席が、年中に上がってからの半年間では2回にまで減った。回数だけを見ても、体感していた大変さが数字としても裏付けられた形になり、当時の自分に「この状態はずっとは続かないよ」と伝えられるなら伝えたい、と今でも思う。

今、当時の自分に伝えたいこと

もしあの頃の自分にアドバイスできるとしたら、次のようなことを伝えたい。

  • 「うちの子だけ」と思い詰めない:入園直後の発熱の多さは、多くの家庭が経験する通過点であることが多い
  • 使える制度は入園前から調べて登録しておく:病児保育やファミリーサポートは、必要になってから調べると手続きに時間がかかることがある
  • 職場には早めに事情を共有しておく:入園直後は体調不良が続きやすい時期だと事前に伝えておくことで、いざというときの理解が得やすくなる
  • 「今だけ」だと自分に言い聞かせる:渦中にいると終わりが見えないが、多くの場合、時間の経過とともに落ち着いていく

まとめ

集団生活が始まったばかりの時期に発熱を繰り返すことは、多くの家庭が経験する通過点であり、必ずしも「うちの子だけ体が弱い」ということではない。仕事との両立という現実的な壁は確かに大きいが、病児保育などの制度をあらかじめ調べて備えておくこと、そして同じ経験をしている保護者仲間や職場の理解を得ておくことで、乗り越えやすくなると実感している。

渦中にいると先が見えず不安になりがちだが、多くの場合、時間の経過とともに体調は落ち着いていく。仕事との両立に追われながら罪悪感を抱えていたあの1年の自分に、今なら「その頑張り方で十分だよ」と声をかけたい。同じように悩んでいる方にとって、この記事が気持ちを少しでも軽くするきっかけになれば嬉しい。